週末にいろいろと悪材料が重なったことで、昨日のマーケットはリスクオフの様相がかなり強まりました。株式市場のほうでは「○○年ぶり安値」が相次ぎ、「損切りが損切りを呼ぶ」といった展開に一時は陥りました。
さすがに今日の日経平均株価は自律反発でプラス圏でスタートしていますが、2週間後のギリシャの再選挙まではポジションを取りにくいといったムードが支配的で、目先のポジション調整の相場がしばし続きそうです。
さて、ユーロ売りの材料の1つがスペインの混乱です。景気は低迷し、財政は悪化し、最新のデータでは失業率は24.3%とのことです。
このスペインについて、興味深いニュースがベンダーのニュースにありましたのでご紹介しましょう。地元メディアでは、大きく取り上げられたそうで、今朝のNHKのニュースでもカンタンに触れられていました。
人口1700人ほどの財政悪化に悩む村があって、昨日、「闘牛」への財政支出について住民投票が行われたそうです。
その村の基幹産業とかで、「闘牛」を行って観光客を呼び込むことで、観光収入を得るのが唯一と言っても良いほどの収入源らしいのですが、その「虎の子」にも満足に予算を組めないほど財政が悪化しているとのことです。その予算というのが、たったの300万円!!
反対派はその半分、150万円を若者の雇用創出のために使うべきだと言って、賛成派は「闘牛」で人を呼び込む効果のほうが大きいと主張し、住民投票を行うことになったそうです。
そして、注目の結果は賛成派が過半数を占めて、予定通りに300万円は全額「闘牛」のために支出されるそうです。
たった300万円の使い方でもめているのです。それぐらいの金額、なんとかならんかなぁーと思うぐらい、スペインの経済は冷え込んでいるという話題でした。
一方で、300万円の使い方を、多くの「おとな」が真剣に考えているという事例が示され、好印象も持てます。
「南欧の人は働かない、遊んでいる」「南欧の人はお金の使い方に無頓着」といった話がよく聞かれますが、これぐらいお金の使い方にシビアになれば、少なくともスペインに関しては、財政悪化懸念にいずれは歯止めがかかるのではといった期待が持てます。
ユーロのリバウンドが続いています。対米ドルでは1.2290ドルレベルまで下押ししましたが、本日は1.25ドル台前半まで戻しています。
日足で見ると、まだまだRSIは「売られすぎ」を脱したレベルに過ぎず、MACDはシグナル線を上抜けて「買いシグナル」を点灯させようとしています。
1.28ドル台に、下げ局面で下げ渋ったゾーンがあって、今度はここがリバウンド局面のレジスタンスになると思われます。
もう少し、あと200pipsぐらいは上昇が続くと見ていますが、どうでしょう?
あくまでも、ユーロ圏発の悪材料が出なければ・・・といった条件付きです。